22 2017

サニーブライアンという名馬について 1番人気は要らない、1着だけが欲しかった。 名馬回顧1

サニーブライアンという馬を知っていますか?

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G1の皐月賞を11番人気で逃げ切り勝ち。

フロックとみられた、日本ダービーは6番人気(シルクライトニングが除外されたので実質7番人気)でしたが、それを嘲笑うかの如く府中2400を逃げ切るという完勝ぶりでした。

レース後インタビューで大西騎手の一言
「1番人気は要らない、1着だけが欲しかった」という言葉は、仕事人って感じがしてすごい好きです。

derby onishi

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しかも騎手の大西直宏騎手は、乗鞍も勝ちもほとんどない騎手だった。
デビューして2年目に、ダービーにて22番人気のサニースワローを2着に持ってきた経験はあった。
しかし、その後は廃止されることが決定されていた重賞アラブ大賞典の勝利のみが、彼の重賞勝利経験だった。
ましてや、デビュー18年目にして前年の勝ち星が8勝の騎手が、ダービージョッキーになるなんて誰も思わなかっただろう。
レース後のインタビュー動画を見ればわかるが、大西騎手はシャイである。
しかしエージェント制度もない時代、営業ができない騎手に馬が集まるはずもない。
2年目にして、22番人気をダービーで2着にもってこれる実力があるにもかかわらずだ。




サニーブライアン
父ブライアンズタイム 母サニースイフト 母父スイフトスワロー。
スイフトスワローはというと、良血ながら調教中の故障で未出走のまま引退した馬である。ノーザンダンサー系によくある「母父の特徴を出す」のとおり、母父のアリシドンの重厚なスタミナやパワーを表に出す種牡馬となり、芝ではサニースワローやレオテンザン、ダートではスイフトセイダイやチヤンピオンスターを輩出するなど未出走の馬の割には中々の成功を収めている。

生産牧場は、村下ファームという小さな牧場であったが、母はダービー2着のサニースワローの全妹。産駒デビュー直前とはいえ、期待の一頭として輸入されたブライアンズタイムを中小牧場である村下ファームが配合したということは、期待されていた証であろう。ただしこれはあくまで村下ファームが基準の話であり、大牧場基準での話ならナリタブライアンの活躍で一躍脚光を浴びた父ブライアンズタイム以外は普通程度の血統にすぎない。

事実、新馬戦ではウイニングチケットの妹の方が注目されており3番人気だったが、これをを逃げ切りで勝ち、おお?これは?と思わせたのも束の間、続く4戦を凡走してしまう。年明けからジュニアカップを逃げ切り勝ち、弥生賞(GII)ではランニングゲイル、オースミサンデーに続く3着に入るものの、何故か連闘した若葉ステークスでは4着であった。

若葉S敗戦で、大西騎手は乗り替わりを覚悟した。

せっかく皐月賞に出走するのだから、もっと有名で腕の良い騎手に乗り変わればいいのに?という話もあったそうなのだが、これは馬主が「サニースワローの時からお世話になっている大西騎手を乗り変わらせるなんてとんでもない!」と言ったことで取りやめになったという逸話がある。

ここまで7戦2勝。勝った2戦はともに逃げ切り勝ち。

大西騎手は、皐月賞では逃げ宣言を行っていた。年が明けてからの敗戦は、逃げたいのに控え得ざるを得ない競馬を強いられたからであった。

だが、こんな成績の馬が皐月賞を勝つなどだれも思っていなかった。

そして迎えた、皐月賞もちろんサニーブライアンが人気を集めるはずもない。

レース前の人気は、メジロブライトが1番人気であった。(後に天皇賞春を制する。獲得賞金8億円越えの馬)
弥生賞を勝った武豊騎手が騎乗するランニングゲイルが2番人気に支持されていた。
3番人気は、サニーブライアンと同じ父を持つヒダカブライアン(毎日杯2着が支持される理由)

サニーブライアンは11番人気の評価だった。(弥生賞3着だが、若葉S4着のためもあるだろう)

しかしレースの結果は、人々の予想を裏切った。

サニーブライアンは、レース前の大西騎手の宣言通り逃げを打った。

だが、サニーブライアンの前に、暴走気味にテイエムキングオーが並びかけたため、2番手で競馬をすることにした。

テイエムキングオーにハナは譲ったものの、単独二番手で折り合いをつけ、テイエムキングオーがばてた所で、先頭にたつと

そのまま、直線で後続の人気馬をしりめに逃げ切り勝ちを収めた。

この時の配当は単勝は5180円。2着のシルクライトニングは10番人気。馬連は51790円もついた。大西騎手はこれがGⅠ初制覇。というか、芝の重賞を勝ったのすら初めて。それどころかこの皐月賞の勝利がこの年の大西騎手の3勝目である(そのうち2勝はサニーブライアンでの勝ち星である)。

皐月賞 大西直宏騎手デビュー18年目で初のG1制覇


皐月賞を勝ったサニーブライアンであるが、彼に下された評価はフロックではないかと言うことであった。

そんな周りの評価をよそに、大西騎手はダービーも逃げ宣言を行っていた。(マスコミ相手に吹きまくっていた)

そんな大西騎手に対して、ファンもマスコミも浮かれているなと勝手に思っていたのだ。(大西騎手の作戦に嵌っていた)

それは他の馬に、ペースを握られたくなかったからである。なんといっても覚醒前の伝説の逃げ馬サイレンススズカも出走予定とあったので、逃げたいサニーブライアンにとっては、とても困る状況だったからである。

実際、ダービーではサイレンススズカは逃げなかった。

そして、レース本番皐月賞馬サニーブライアンは1番人気かと思いきや、7番人気!?

1番人気は、またもメジロブライトであった。
2番人気は、これまた同じランニングゲイル
3番人気は、シルクジャスティス(その年の有馬記念を制する事になる馬である。)

大西騎手は、マスコミに対して「シルクライトニングだけが気になると答えていた」

実際シルクジャスティスは、毎日放送京都4歳特別(G3や若草Sで物凄い差し足で勝利していたのと、直接対決の経験がなかった。

レースがスタートすると、大外からサニーブライアンが猛烈な勢いで先頭に躍り出た。その気合を見て、同じ逃げ馬のサイレンススズカは控えた。

競りかけても譲ってくれそうに無かったからだ。実際には「スズカが競りかけてきたら控えろ」という指示があった事など知る由もなく。サニーブライアンはあっさりと自分のペースに持ち込んでしまったのである。

サニーブライアンの最大の利点は折り合いで、スタートで押して一気にハナを奪ったのに、次の瞬間にはあっさり落ち着いて大西騎手の指示に完璧に従うのである。ダービーでも2コーナーを回る時にはもうサニーブライアンのペースになってしまっていた。

サイレンススズカ以下先行馬は掛り気味、相変わらず後方に固まる人気馬は当初の狙い通りけん制しあって動かない。なんか皐月賞より全然気持ち良さそうに走っているサニーブライアン。でもどの馬も鈴をつけに行かない。

彼の存在は他の騎手やファンからは「消えていた」。どのくらい「消えていた」かというと、実況が4コーナーでサニーブライアンを無視して「2番手はフジヤマビザン」と実況するレベル。この時点でもう勝負ありである。

悠々と4コーナーを回ったサニーブライアンに後続が襲い掛かるが、サニーブライアンは余裕十分。引き付けるだけ引き付けてから大西騎手がゴーサインを出すと、バテた先行馬からポーンと5馬身くらい離してしまった。
そしてそこからは切れ味はないけどバテないサニーブライアンの真骨頂。
メジロブライトをマークして仕掛け、メジロブライトごと「馬群」を差し切ったシルクジャスティス鞍上の藤田騎手は「馬群」の先頭に出た瞬間、そこがダービーの勝利ではなかったことに驚愕したに違いない。

結局1馬身差でダービーまで「逃げ切ってしまった」のである。

この勝利に実況担当フジテレビの三宅アナは「これはもうフロックでも何でもない!二冠達成!」と叫んだことは有名である。

このダービーに出ていたメンツ実はすごかった。
サニーブライアン自身は、皐月賞、日本ダービー
2着の、シルクジャスティスは有馬記念
3着のメジロブライトは天皇賞春
7着のマチカネフクキタルは菊花賞
9着のサイレンススズカは宝塚記念

芝ではないが、17着のゴッドスピードは中山大障害を勝っている。




2011年のJRAのCM
逃げてはいない、夢を追っている。


最後になるが、この勝利をきっかけにして、大西騎手は騎乗が増えた。
2004年には、カルストンライオでスプリンターズステークスを制している。
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サニーブライアン 大西直宏

1 Comments

がちょー  

じつに、重みのある言葉です。

1番人気は要らない、1着だけが欲しかった

シンプルなコメントですが、じつに、重みのある言葉です。
くやしさも伝わりましたよ!

2017/02/22 (Wed) 17:22 | EDIT | REPLY |   

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